ポーカーフェイス
「アカヤコーヒー」のカフェモカが無性に飲みたくなって、買い物帰りに寄ってみた。昔からある、ちょっとクラシカルで味のある喫茶店。
手のひらの中の温かく甘やかな飲み物でホッと一息つき、しばし物思いにふける優しい時間。休日の朝の為に、いつものアカヤブレンドを挽いて貰った。
しばらく鬱状態にあり、辛い日々が続いた。
突然やって来る色のない虚無の世界。無理に笑顔を作って仕事をこなし、いつもの自分を演じることにもう慣れてしまった。
ポーカーフェイスでやり過ごす、永遠とも思えるような時間の中で、今にも崩れ落ちそうな自分を支えているものは一体何だろう。
庭のツワブキの黄色い花が、陽を受けて輝いている。色つきの日常がまた戻って来た。