スローダンス

65歳からの日々のブログ

ハリウッドの思い出

「君たちはどう生きるか」「ゴジラ-1・0」のアカデミー賞ダブル受賞の、ニュース速報が流れて来た時は胸が熱くなった。


もう20年以上前になるが、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」での受賞の年は、ニューヨークの同時多発テロの影響で、アカデミー賞もその後に行われる幾つかのオスカーパーティーも、縮小されて簡素なものになった。


ご縁がありその年私は、オスカーパーティー会場の一つで、お花を含めたトータルコーディネートのチームに参加していた。


会場の警備は厳重で、昼間は黒服のボディーガードの姿がチラホラ。夜は一変してライトアップした会場に、ドレスアップした人々が押し寄せ賑わっていた。


その年のテーマカラーはブルーとピンクのパステルカラーで、ピンクと白のバラを様々な形のガラスの器にアレンジした、シンプルでスタイリッシュなものだった。



大量のバラのトゲと葉を取り除く作業や、ミリ単位のテーブルセッティングには神経を使ったが、キッチントレーラーの美味しいランチや、フレンドリーな現地スッタフの私達を呼ぶ「ヘイ、ガールズ!」の挨拶に、思わず笑顔がこぼれた。



ブラシの木(金宝樹)が生い茂る可愛いホテルから、美しくガーデニングされた素敵な町並みを眺めながら、毎日20分程歩き会場に通った。



作業は3日間で終わり、その後は広大なビバリーセンターでお買い物したり、ロス在住のかたのお宅を訪問したり。


イギリス、アメリカ、日本の10名混合チームだったが、最後に近くのレストランで打ち上げした時は皆打ちとけて、お別れするのが名残惜しかった。


毎年アカデミー賞の季節になると、あの時の光景がよみがえって来る。今までの私の人生で最も輝き、忘れられない思い出のひとつになった一週間だった。