それぞれの窓の物語
朝起きてカーテンを開けると、いつもそこにある風景。今は菜の花畑が広がり、その向こうには、ちょっと変わった形の家がある。
「あのとがった屋根は何だろう? 天体観測してるのかな?」小さい頃プラネタリウムに足げく通った私は、いつもそう思う。
お日様が登って来る気持ちのいい、東向きの窓辺で。
南向きの窓には住宅街が広がり、遠く向こうには繁華街の風景、夜になると海沿いにイルミネーションが美しく輝く。
クルーズ船の汽笛が微かに聞こえて来たりり、サマーナイト花火の打ち上げが見られたりする、楽しい窓辺。
西向きの出窓は、バス通りに面していて、子供達の通学の様子や車の往来がよく見える生活の窓、そして多肉植物達の住みか。
西日が強いので、仕事から帰って来たらレースのカーテンを閉めて、お水をあげる。
北向きの窓は、お隣りと隣接しているので、いつもレースのカーテンを閉めていて、殆ど開くことはない。
お隣の裏庭の向こうには、ビニールハウスが沢山並んでいて、ずっと向こうの山の上には、風力発電の大きな風車が回っているんだよ。
ぞれぞれの窓には、それぞれの物語がある。そんな窓の物語を読んでみたい。