5年日記の空白
去年から5年日記をつけている。
一日5行だけなので、私にしては珍しく続いている。
ページをめくると、去年は120日ほどが空白になっていて、それが苦しかった日々を物語っているようで、胸が痛む。
私には大きな試練が続いた、この10年だった。大切なものを次々と失い、抱えきれないほどの苦しみの中で身も心も壊れかけ、その後遺症が躁鬱病という形で心の中に残った。
突然やって来る、うつ状態に成す術もなく、ただじっと通り過ぎて行くのを待つ辛い日々が、2週間から酷い時はひと月以上続いた。
65歳を迎える年に、書店でふと5年日記を手に取り、あと5年だけ頑張ってみようと思った。
定年退職してホッと一息つき、今年の日記の空白は20日ほどに留まっている。
今度生まれて来る時は、野の花になりたい。誰に見られることもなく、ただ無心に咲いて散る野の花がいい。