郷土の七草粥
昨日は病院の昼食のメニューも七草粥だった。白いお粥に春の七草が入った、優しい塩味の一般的な七草粥だ。
帰ってから私が作る七草粥は、具沢山の餅入りおじやのようなもので、鹿児島では「ずし」と呼ばれ、各家庭にそれぞれの味をもつ郷土料理的なものだ。
大根、人参、竹の子、蓮根、ごぼう、椎茸、薄揚げ、カマボコなど、お正月の残り物の食材を細かく切って出汁で煮込み、醤油、みりん、酒で味付けする。
野菜が煮えて来たら米を入れ、米が柔らかくなって来たら、細かく切った餅を入れ溶かし込み、最後に七草を混ぜ入れる。
粘りがありボリューミーだけど、お野菜たっぷりで冷めても美味しいので、いつもいっぱい作ってお裾分けしたりもする。
鹿児島では数えで七歳の男女が晴れ着を着て神社でお参りした後、近所の家を7件回り重箱にこの「ずし」を貰い、今後の健康と成長を願うという習わしがある。
私も小さい時、晴れ着を来て近所を回り、七草粥を頂きお祝いして貰い、嬉しかったことを覚えている。近年はすたれつつある郷土の文化だけど、伝え続けていって欲しいと切に願う。